世界的に不安定な状態が続いている中、金融経済のことについての知識を高め、考えていくブログです。
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日銀が公表した7月~9月期の資金循環統計(速報)によれば、9月末時点で個人(家計部門)が持つ金融資産残高の合計は2121兆円となり、1年前から5.0%増え、4四半期連続で過去最高を更新したのだそうです。
貯蓄から投資に金融資産を振り向ける動きがあったことに加え、国内の株式相場の上昇で、株式や投資信託の残高が増えたことが要因のようで、「現金・預金」は前年同期比1.2%増の1113兆円で、金融資産全体の52.5%を占め、投資の活発化により「株式等」は30.4%増の273兆円、「投資信託」は17.4%増の101兆円で、いずれも過去最高となりました。
円安・ドル高の進行で外貨建て保険の評価額が膨らみ、「保険」も0.4%増の539兆円と過去最高を記録。
日本産業パートナーズを中心とした連合が東芝に買収の最終提案を出し、買収案の前提となっていた金融機関からの融資確約を得たのだそうです。
日本産業パートナーズ(JIP)が2022年11月上旬に買収提案してから3カ月が過ぎ、買収後の経営体制への不安もあり、東芝の経営を監視する仕組みを盛り込むなど金融機関は総額1兆2000億円にも及ぶ巨額融資の決断に慎重を期していて、JIP案には主力の三井住友銀行とみずほ銀行が各5000億円前後を融資し、三井住友信託銀行と三菱UFJ銀行、あおぞら銀行が続くことでまとまり、最後まで調整が長引き、取りまとめ役の三井住友銀が融資を確約する「コミットメントレター」をJIPに送ったのが9日の未明となりました。
JIPは買収資金を日本企業からの出資と金融機関からの融資で賄う計画で、金融機関に1兆円を超える融資の申し入れをしており、コミットメントレターを得るまでに約3カ月もかかったのは、資金調達の状況に変化があるごとに自行に持ち帰って審議し直すなど手続きに時間がかかったからのようです。
金融機関の中では、東芝のガバナンス(企業統治)体制や成長性に対する不安から、東芝買収に巨額の融資をすることに慎重な意見も出ており、当初の懸念はJIPによる出資部分の全体像が見えないことで、JIPは少額の出資企業を集めていたが、それらの企業から「名前は出さないでくれ」といった要望もあり、銀行団への説明もあいまいになっていました。
東芝は9日、JIPから株式非公開化を含む再編提案を受け取ったと発表し、今後、社外取締役7人で構成する特別委員会で議論し、最終的には12人いる取締役会で受け入れの是非を判断、買収が実現すれば、JIP、出資する企業、融資する金融機関の三位一体で東芝の改革に取り組むことになります。
英国の環太平洋経済連携協定(TPP)の加盟交渉が前進するようで、加盟各国は電子商取引(EC)や知的財産といったルールに英国が適合できると判断しているようですよ。
関税などの交渉を経て早ければ2023年にも発効されるようで、TPP発効後の加盟が実現すれば初のケースとなるようですね。
英国が受け入れたTPPの厳格な貿易ルールは加盟実現に向けた難関とみられていて、加盟を申請している中国や台湾の審査の土台にもなっていて、厳しいルールの水準が保たれたことで、デジタル分野のデータ流通への国家の関与を強める中国へのけん制にもつながっています。
TPPは日本やオーストラリアなど11カ国が参加するメガ自由貿易協定(FTA)で18年に発効され、モノの関税だけでなく、サービスや投資の自由化を進め、ECや知財、国有企業、労働などのルールを定めて貿易の活性化をめざしています。
ルール分野では、データ流通の透明性や公平性を確保する原則を定めており、進出した外国企業にサーバーの自国内の設置を求めたり、ソフトウエアの設計図にあたる「ソースコード」の開示を要求したりするのを禁じ、労働では強制労働の排除や団体交渉権の承認を規定し、国有企業への補助金を規制するほか、公平な政府調達も求めます。
英国は21年2月に加盟を申請し、英国の国内制度がTPPのルールに適合しているかといった点を参加国が21年9月から審査してきており、英国がTPPのルールを守れるとほぼ確認できたため、18日にも首席交渉官会合を開き、加盟手続きを次の段階である関税などの協議に進めることで合意するようですね。
英国は30日以内に関税撤廃率など市場アクセスの条件を提示、例外的に関税を維持したい産品も示し各国と交渉することになっています。
<p<日豪など過半の参加国は英国と2国間FTAを結んでいて、「ルール分野よりすんなり進むのではないか」(日本政府関係者)との見方もあり、早ければ年内にすべての審査が終わり、加盟を承認するとみられ、各国の国内手続きを経て、23年にも発効する見通しが強まっています。英国が入ると世界の国内総生産(GDP)に占める加盟国の比率は12.8%から16.0%に、人口は6.6%から7.4%に高まり、高水準な自由貿易圏に欧州の国が入る点で意味は大きく、21年9月には中国と台湾、12月にはエクアドルが加盟を申請し、韓国も意欲を示しています。英国によるルール受け入れは中台などの加盟審査の行方を占うことになり、中国は国境を越えた自由なデータの流通に否定的で、ウイグル族に対する人権侵害や鉄鋼などの国有企業に対する過剰な補助金も加盟の障害になりそう。
加盟は全会一致で承認する必要があり、ルールの堅持を前提とすれば中国の加盟のハードルは高い。